浜口陽三

繊細
静謐
闇を解く鮮烈な色彩
闇に帰る独自の閉塞感
銅板画家、浜口陽三の世界です

彼の画を初めて見たのは小学五年か六年か
父が着任した教会の信徒のご婦人宅玄関に横長の「さくらんぼ」が在った
目白最高層階にあるその絶景部屋によく遊びに行かせてもらった
気品高く優しくユーモアに満ちた彼女がぼくは大好きで
反抗期も関係なく、高校に入ってもその部屋には寄り続けた
いつしか自分に恋人ができるたびその夜景を見せ、住人に恋人を見せるのが恒例になっていた

あれから25年

今週火曜、長野諏訪、湖畔の老人ホームに彼女を訪ねた
浜口と書かれた部屋のドアを開ける時は少し緊張
自分のことを覚えておられるかと急に不安になったのです
上寿にして、気品高さと優しさとユーモアは車椅子の上でも健在
再会の喜びに手を取り合った
彼女は陽三の義姉です


東京日本橋にミュゼ浜口陽三という個人美術館
吉祥寺美術館に個人記念室があります
ミュゼには常設展示はありませんのでご注意を。
ケラム事務所の壁では常時ご覧いただけますのでどうぞ
開業時、決意の記念に壱拾五萬円で購入
もちろんコピーをです
kelhamphoto.com
浜口陽三_a0256698_15193922.jpg

by kelham | 2012-08-24 15:53