熱砂を行く

撮影のマンネリ化をなげく同業の若い人がいて
その気持ちよくわかる
わかるがそれが写真の形式・様式化なら恐れるに足りない
我々の仕事は量産から逃れられない反面、
同じ被写体を撮ることは二度となく、徹頭徹尾リアル一期一会
マンネリズムが平等性や、確実性、満足度を高めるなら何をためらう
特別に一度だけ来店した御客にシェフは気まぐれ料理を試すだろうか
磨き上げてきた彼の定番を、いつもと同じ手順で、なに一つ変えることなく提供するだろう
食べる方はそのために来ている
思いつきや冒険ではなく洗練を食らいに来ている
誰かはしたり顔で言うかもしれない
また同じ料理!つまらないシェフ!作ってて自分で飽きないもんかね!

怖いのは気持ちのマンネリ化
すなわち、婚礼写真家の、ハレに対する怠惰と新しいものへの臆病

旧友と葉山。この砂は猛烈に焼けている
kelham
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by kelham | 2014-08-08 15:16