牧師の長い祝辞を聞き終えチャペルを出るとそこは黄国であった

ガーデンパーティーは中止
装花、料理、宴のすべては屋内に避難した
花嫁の落胆を思うとたちまち汚染黄砂憎しとなったが
スマホ使いたちはそれとは関係ないと言う
戸惑っているうちにカメラが粉にまみれ始めたので慌てて着ていたジャケットで覆った
デジタルカメラは恐ろしく砂と粉に弱いからです

煙霧=乾いた微細な粒子が大気中に浮遊し空気が乳白色に濁ってみえる現象
今日の丸の内日比谷はすべてイエロー
変なの。
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# by kelham | 2013-03-11 02:26
花嫁の父も様々
広告会社プロデュース「仲良し親友パパ」は実際には多くない
タバコだ、トイレだ、外の空気を吸ってくる未着の親戚を捜してくる
なんだかんだと花嫁から逃げ回る御仁を時々お見受けする
照れくささと無量の感慨と秘するぼうだの涙

見つめる
目を合わすことはできない
遠くから見つめる
目が合ってしまうそのぎりぎりまで父は娘を見つめる
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# by kelham | 2013-02-28 18:46
戦場カメラマンはファインダーを通すと被弾の恐怖も凄惨の戦慄も感じないらしい。その光景を世界に伝えるという使命感で自分の存在を一瞬忘れるからだという
わかる、私も花嫁にどんなに熱く見つめられてもひるまないし恋もしない
人生の特別な一日を、彼女の美しさを、本人と家族とその先々にそのまま残さねばという責任感で撮影者としての自分は透明になっているからだ

ウォーとウェディング
一緒にするなこっちは命がけだと怒られそうで
それはそうだがでも似ている
芸術と断絶し、記録という時の厚みの前にひざまずく去私の写真稼業だ

少なくとも大きいことを言いたがる所は似ている
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# by kelham | 2013-02-23 10:49
結局、景気なんか人それぞれ
不況の海も好況の川も泳がなきゃ溺れるのは一緒でしょう
仕事自体の厳しさ楽しさ実はたいして変わらなくないですか
我々のほとんどは不景気でもなんとか生きるし
回復反転したからといって富裕しない (残念ながら)


デフレかインフレどっちか選べみたいな
幸せな金持ちと惨めな貧乏人しかこの世にいないみたいな
個人の努力次第で勝ち組か負け犬か決まるみたいな
改革か破滅かみたいな
自由か(化)さもなくば死を!みたいな
その手の二分の強迫が蔓延している限り人は使うべき金を使わない

時勢ではなく自分の仕事を見つめる
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# by kelham | 2013-02-21 22:08
第1位 カメラマンさん
写真の方、写真屋さん、先生、オガサワラさんと続く
ウェディングでのお客さんからの呼ばれ方
「おい写真屋!」の如きひどいのも昔はあったが最近はない
この道で年を経たベテランの鋭気をうかつにからかえなくなったからだ

安心していたら日曜日、若い女性客に「おまえは撮るな!」と叫ばれた
宴中、仲間同士で集合写真を撮っている姿を横から撮影しようとした時に。
すぐにおふざけとわかって苦笑い、数枚撮ってその場を去った
旧友に囲まれ祝い酒に酔ってのこととこちらは特に気にしない

向こうはする。まず友人が詫びに来、次いで別の友人が説明しに来、そして本人が謝りに来た

放つ鋭気をもっとしっかりさせねばと思いました
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# by kelham | 2013-02-08 11:29