テーブルをどけてもう一歩寄りたい彼と
壁を壊してもう一歩引きたいケラム
1回しかシャッターを切らない彼と、5回切りたいケラム
リアルを撮りたい彼と、きれいに撮りたいケラム

カメラを持って来た彼と
カメラを置いてから行ったケラム・・・

高校の同窓会で下北沢「AVOCADO」
そこに我が師匠が50㎜だけを携えて現れ、撮影する姿を久しぶりに見せた
同級生にしてこの世界の先輩
20年前、「写真を撮る楽しさ」と「撮り切る根性」を教えてくれた人

根性だけはふてぶてしく熟れたけれど、仕事の中で、楽しさはどこかに置き忘れてきてしまった気もする
カウンターの隅でテキーラを飲みつつ、所狭しとあっちこっちを回遊する彼の姿を眺めながら、もう一度取り戻したいと思った

松谷冬太 photo by Masanori Otomo
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kelham photograph
# by kelham | 2014-03-19 14:56
実際のところ、メイクアップが当日の成否を分かつ
花嫁はブライズ・ルームの鏡に映る自分の姿を見て
その特別な一日をイメージしていく
花嫁は女の中の女であるから
そのできばえよりも大事なことなどありはしない
求められる写真のハードルも上がる
それは最高なこと
素敵の連鎖
kelham
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# by kelham | 2014-02-24 11:37
スポーツビッグイベントが開催される度にうちのテレビの無力さを思い知る
この部屋で映るのは地上波のみで、BS、CS、CA番組とは無縁
契約しかけてはその都度寸止め
スポーツ中継や海外ドラマ、映画、ゲーム
ソファーと一体化して何十時間でも何日でも「ハマる」私の解放戦線
チャンネル数とコントローラーを自分から奪ってしまう
ゲームは棄てた

二週続けて白い週末
今日は撮影が入っていない
昨夜はしんしんと降り続ける雪を気楽に眺めた
目覚めると、部屋より広い我が家のバルコニー(部屋が狭い)の積雪は30センチを優に超えていて、中央線、東西線は不通、車は一台も走っていない

ブライダルマンはスーツ、革靴で雪下ろし
今日の彼の無事を祈っています
こたつで、オリンピックの再放送観ながら・
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# by kelham | 2014-02-15 11:14
歩きたいという体の欲求にお応えするため
今日は所用を徒歩で済まそうと決めた
事務所から参宮橋を抜けて代々木八幡宮へ
富ヶ谷の交差点から渋谷へ
桜ヶ丘を通って代官山をかすめ恵比寿へ
明治通りを新宿へ

道中、気ままに飲み食いしながら
面白い店を見つけては立ち寄り
ご無沙汰しているテーラーに顔を出し
帰りにはどこかで一杯引っかけるくらいのイメージだったはず・・・
降雪前の底冷えと、歩き始めたら暑くなるだろうと高をくくったイタズラな薄着のせいでたちまち凍え、ぶらり散歩旅的な余興を一切排した約12キロのただの寒中修行となった

歩きたかった体のことはもう全然わからない
熱い風呂で血の気が戻ったことだけわかる
明日は雪の結婚式

写真は綱島陽林寺御住職
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# by kelham | 2014-02-08 02:00
雑誌やサイト、テレビ広告の中の新郎新婦は笑い過ぎ
料理人はにらみ過ぎ
怖い顔はつけ麺屋だけで十分

フェイバリット社のコース料理とシェフたちの宣材を撮りに駒沢へ
幕を張り3灯でライトを組み、全5コースに7時間をかける長丁場となった
料理は式場で毎週拝見するものの、作り手の方々にお会いする機会がない私には興味深く、有り難い時間だった

5人のシェフの笑顔を、両手を入れて撮りたいと思った
経験則で料理人はシャイでお茶目で写真苦手という向きが多く、この日も全く違わなかったが、実は彼らの笑顔を撮ることはいつも容易い
美味が快感で、おいしい食事が人の快楽である限り、
料理人の仕事の先には必ず笑顔があって、彼らはそれに仕えているから
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# by kelham | 2014-01-30 11:52
他人の絵馬は見るはよし触れるべからず
昔、九段にある神社の偉い方がそうおっしゃっていたので
それを受け、私は神社仕事の待ちが長かったりすると時々目を通す
今日は代々木八幡宮の掛所をさらっと見渡した
健康と恋愛
合格、繁盛、安産
民の願いは一向に変わりなく、また変わるべくもない

アイドル某がセンターを獲れますように、の類のみが毎年移ろっていく
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# by kelham | 2014-01-22 01:18
無人島にただ一つ何を持って行くかという例の問いに
写真と答える人はまずいないが
かの被災地においては
流された数千万の写真は懸命に捜されされようとしている
なくても生きていけるが
写真は、粉々に分解してしまいそうな我らを、人生を、時間を繋いで証す

それぞれの誕生から、二人が入籍するまでのストーリーを
列席者は門扉からチャペル前まで辿っていく
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# by kelham | 2014-01-14 11:07
ドア脇に置いたカメラバッグを蹴った男に
よせと言ったら次の駅で降りろと凄まれ
降りずにいたら閉まるドアの向こうにバッグの一つを放り出された
急いで引き返したが見当たらない・・・

1999年のあの朝は悪夢のようだった
結局、荷物は駅員が保管してくれていたもののその騒動で札幌行きの飛行機に乗り遅れてしまった
その日の午後施行される初の時計台ウェディングの撮影だった
(キャンセル待ちで次々便に乗れて無事撮影)

ウェディング撮影の行き帰り
忘れる、ぶつける、落とす、壊す、盗られるの恐怖から自分を解放するために、ケラムは常撮の現場に基本機材一式を置かせていただいてカメラを持ち歩かない

置いていかれる方はさぞ邪魔だろう
毎日蹴られていませんように
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# by kelham | 2013-12-29 14:09
今年の春、天に召されるはずだった父が
今朝、クリスマス礼拝で説教すると聞いて芝の聖アンデレ教会に出かけた
四十数年前、彼はこの教会に勤務していたので我々はこの土地が懐かしい

東京タワーも眠ったよ(消灯)あなたもおやすみ
あそこ(ヴォルガ)に住んでいる魔法使いに叱ってもらうと親に
あのビル(ノアビル)には悪魔が暮らしていると姉に脅され怯えた

故郷のない私にはこういう記憶の断片とそのランドマークが愛おしい

東京タワーはすでにその役割を終え
ノアビルは朽ち、ヴォルガはもう跡形もない
それすらも失っていくわけか
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# by kelham | 2013-12-26 04:07
自宅マンションの三軒隣りに
ジャルダン・ゴロワという有名なフランス惣菜店の厨房があって
朝からカタカタカタカタカタカタカタカタと何かの機械音が鳴り続けている
二ヶ月ほど前からで、時には深夜に及ぶ
よく近所から苦情が出ないものだと思うが自分も言っていない
どの程度の音が文句をつける程の騒音なのかよくわからない
人間の営みにある種の騒々しさは付きもので、個人的には、居住区静寂絶対死守みたいなノリに与さない
が食事をしていても映画を観ていても風呂に浸かっていてもカタカタカタカタカタカタカタカタとやかましい

昨日の作業映画は、ラース・トリアーの「ダンサー イン ザ ダーク」
工場労働に勤しむ主人公が、機械から出る騒音を、耳を澄ませばそれはリズムだ、音楽なんだと踊り出すシーンを手を止めてよくよく観た

今朝も早くからカタカタカタカタ鳴っている
耳を澄ますほどうるさい
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# by kelham | 2013-12-21 14:05
今年訪れた幸運のひとつは小中の同級生との再会
会ったがそれがいよいよお別れの奇跡の同窓会とかじゃない
たまたま新宿南口ですれ違った金田が変わり果てたシゲキに気づき
snsを介してオーボー、綾部と繋がり
臆病を制して出向いた店の扉を開けると、オーシン、こんちょ、あけ、北見
浅井、近さん、米田、ヒロシ、リュータ、磯貝・三十年会わずもう会うこともないと思っていた追憶のクソガキ共が当たり前にそこに座っていた

そして、来週も再来週もテニスコートで会う

写真は激レア
取り壊される前の目白駅前コマース。4階「牛友チェーン」跡
数年前、寄ったら潰れていて、感傷に浸りながら一枚撮った
カレースタンドで、子供の頃よくここに居て
食べるお金はめったになく田島とか磯崎とか増田の横で水を飲んだ
店長さんがいつも君も座れと言ってくれお冷やを出してくれました
大人になったら、金持ちになったら毎日ここでカツカレーを食べようと思っていた
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# by kelham | 2013-12-07 10:42
「その時」   を感じる力
「そこにいて」 撮ることを許される信頼関係
「静かに」   佇んで画に働きかけない勇気
「確かに」   残すための技術

ケラムフォトグラフ起ち上げからのモットーです
本日午後、フェリーチェ・ガーデンは1000組目の新郎新婦を迎える
落ちついて出かけ、静かに確かに写真を撮りたい
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# by kelham | 2013-12-01 12:34
大きな照明をおとし、小光源群でリニューアルしたフェリーチェ・ガーデン
暗さが優しく、明るさの慎ましさが心地良い
その雰囲気の中でかつてなくゲストは和まれ、ナイトパーティーを楽しまれている
それを写真にして新郎新婦に残すのが仕事なので、私にとってもそれより好ましいことはない

一方、露出は2段、3段とおちていった
ケータイもホームビデオもおそらく後からは見られまい
その暗い夜をどう撮るのか、それが今年後半ケラム最大の課題
機材を換え、試行錯誤を繰り返し、数字を揃えていった
ノクトン(夜)も導入 笑

とはいえ、どうやったら撮れるのかという技術論よりも
どう撮るのかという方向出しの方がずっと難しい
会場、プランナー、お二人の写真イメージの共有が不可欠だからです
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# by kelham | 2013-11-27 14:21
核戦争後の弱肉強食の終末世界
男はこの世に残ったその最後の一冊を抱え、ひたすら西へ歩き続ける
アルバート&アレン・ヒューズ「ザ・ウォーカー」
マッド・マックスと座頭市が好きな向きには楽しい

日曜夜は事務所の近所でちょいと一杯が常だが
昨日はよして終電までデータ作りを進めた
今週も何本か締切を迎える
表の道路も建物も恐ろしく静かで、あらためて休日は人は休むものだと知る
アル・グリーンの“ How can you mend a broken heart ”
無人のフロアーに響かせた

主人公が焚き火を前にこの歌を聴く
野良猫の肉をネズミと分け合い、ケンタッキーの紙おしぼりで体を拭い、読書に耽る好きなシーン
ちなみにipodの充電も物々交換で命懸け
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# by kelham | 2013-11-25 12:18
カフェで綺麗な白人女性に見とれていたら
「見て見て、あの猿が私を見つめてる!」と大声を出され
周囲が笑いと彼女に対するブーイングでざわついた
その直後、偶然、プライベートでアラン・リックマンが店に入ってきて
全員、スタンディング・オベーションの拍手喝采
美人も猿も立ち上がって拍手
彼はシェイクスピア俳優然としたお辞儀でその表敬に応えていた
名声とはこういうことかと当時思ったものでした・

なぜ20年も前のロンドンの記憶がよみがえっているかというと
昨夜、ハリー・ポッターの最終回を観て物語が完結し
セブルスの悲恋と、彼の暗くて長い一人きりの戦いに落涙
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# by kelham | 2013-11-19 17:36