日比谷公園松本楼の脇にこの大木は在って
その名は「首賭けイチョウ」
もともとは現在のペニンシュラ交差点辺りに立っていた
1899年、日比谷通り拡張工事での伐採計画を知った一人の林学博士がこの木の保存を嘆願し、彼が「移植の成功にこの首を賭ける」と宣わったことからそう呼ばれる

ケラムは6年前から日比谷公園内の結婚式を撮影しているので
芽吹きと新緑、深まる緑と鮮烈な黄葉、そして完璧な落葉を毎年順番に見届けている
テレビ番組でパワースポットとして紹介されて以来、人が集まり何かの力を頂戴し続けているが、一枚の葉もまとわない冬はなぜか人は立ち止まりもしない
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# by kelham | 2013-06-03 17:00
結婚式を挙げない、宴も催さない新郎新婦もいる
価値観、経済事情、ご懐妊、いろいろあるだろう
今朝はそんな二人の撮影だったが、双方の御両親が揃ってロケ現場に来られていたので時間の許す限り家族写真を多く撮った
そういう時私はあまり二人に相談しない
断られると撮れなくなるからです

午後は別件で新宿のスタジオ、ドレス撮影
新郎が消防士で礼装の制服を着ると聞いてテンション上がった
子供の頃から憧れの職業だからです

3時間空いて夕方にもう一組、同スタジオで和装撮影
いったん自分の事務所に戻って週末の納品作業をすすめるのが常だが今日はそのまま残って他人のデスクでだらだらとノマド
なんか、人の中にいたくて・笑

でも結局そのあと終電まで効率特化静寂事務所
存分にデータ作りに励む
今夜の作業映画はオリヴィエ・マルシャル「あるいは裏切りという名の犬」
「やがて復讐という名の雨」「いずれ絶望という名の闇」と続く三部作
締切仕事にはフィルム・ノワールが最適
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# by kelham | 2013-04-27 03:47
土曜は風雨の中2組、9時間2500ショット。
この仕事を始めた頃は36枚撮りのフィルム5~10本の中に一組の挙式披露宴を収めていたのでおよそ5倍
デジカメの普及による大幅なコストカットが招いた撮影カット数の激増

枚数撮ればいい写真撮れるのかよ
写真ってそんなもんじゃないだろ
数打ちゃ当たるより一瞬のシャッターチャンスに魂込めろ
作品性がないから日本の婚礼写真はレベル低いんだ
俺がフィルムで撮っていたころはさ・
と「一撃派」は時代を叱る

でもそれ、20年前、10本撮って写真室に戻った時も、先輩がた同じ事を言っていましたから・
結局、ウェディングフォトにアートを持ち込みたがる連中はいつだっていて
常に自他を責め、時々悦に入っている
この仕事はサービス業だと腹を括れケラム

花嫁が望むなら何枚だって撮るし撮らない
悪天に肩を落とすなら寄り添って励ます
その日を最良にしようという現場一丸の努力からなぜフォトグラファーだけが遊離しそれを傍観しうるというのか
魂を込めてシャッターチャンスを待っている間に祭りは終わる
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# by kelham | 2013-04-08 14:29
空は重く白く、冷たい雨が降り続いている
駒沢にある父の病室の窓は見晴らしがよいが今日は霞んで目黒通りまでも見えない
病院の敷地内にある桜は一斉に散り始めた
葉桜は若葉の生命を眺めると満開の花を凌ぐほど美しいが
花が散ってしまった儚(はかな)さを見るとその濁りがむさ苦しい

人はと言わずぼくは
天国と地獄の両極を同時に生きている
すべてが同じコインの表と裏なら
自分の心持ちしだいなら
虚無ではなく愛情に
嫉みではなく感謝に生きたい

ベッドのこの男のように。
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# by kelham | 2013-04-03 13:52
小2から始まる
田園調布はピアノ教室
祐天寺は母の美容院
代官山はバイト
中目黒バイト
学芸大もバイトで通った
都立大には家族で通うイタリアンレストラン
自由が丘はデートと洋菓子と中華
新丸子には会社時代の後輩が
綱島には自分が三年住んでいた
両親は後から今も綱島
その後妹も綱島
大倉山、反町には姉家族
親友が最初に店を出したのはそれこそ地下化で消えた新南口の高架橋エリア

「渋谷〜、ありがとう渋谷〜、忘れねーよ!東横万歳!」などと、
テレビカメラを意識しながら絶叫している若者をニュースで見かけうるさい
渋谷も東横線も続くしさらに盛況する

古いものが当たり前に無くなっていくのは寂しい
あの湾曲大ホームを想うと、叫びたくなる気持ちもなんとなくわからなくもないが、それにしてもお前さんじゃないと、おじさん思ってしまいました
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# by kelham | 2013-03-19 11:07
牧師の長い祝辞を聞き終えチャペルを出るとそこは黄国であった

ガーデンパーティーは中止
装花、料理、宴のすべては屋内に避難した
花嫁の落胆を思うとたちまち汚染黄砂憎しとなったが
スマホ使いたちはそれとは関係ないと言う
戸惑っているうちにカメラが粉にまみれ始めたので慌てて着ていたジャケットで覆った
デジタルカメラは恐ろしく砂と粉に弱いからです

煙霧=乾いた微細な粒子が大気中に浮遊し空気が乳白色に濁ってみえる現象
今日の丸の内日比谷はすべてイエロー
変なの。
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# by kelham | 2013-03-11 02:26
花嫁の父も様々
広告会社プロデュース「仲良し親友パパ」は実際には多くない
タバコだ、トイレだ、外の空気を吸ってくる未着の親戚を捜してくる
なんだかんだと花嫁から逃げ回る御仁を時々お見受けする
照れくささと無量の感慨と秘するぼうだの涙

見つめる
目を合わすことはできない
遠くから見つめる
目が合ってしまうそのぎりぎりまで父は娘を見つめる
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# by kelham | 2013-02-28 18:46
戦場カメラマンはファインダーを通すと被弾の恐怖も凄惨の戦慄も感じないらしい。その光景を世界に伝えるという使命感で自分の存在を一瞬忘れるからだという
わかる、私も花嫁にどんなに熱く見つめられてもひるまないし恋もしない
人生の特別な一日を、彼女の美しさを、本人と家族とその先々にそのまま残さねばという責任感で撮影者としての自分は透明になっているからだ

ウォーとウェディング
一緒にするなこっちは命がけだと怒られそうで
それはそうだがでも似ている
芸術と断絶し、記録という時の厚みの前にひざまずく去私の写真稼業だ

少なくとも大きいことを言いたがる所は似ている
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# by kelham | 2013-02-23 10:49
結局、景気なんか人それぞれ
不況の海も好況の川も泳がなきゃ溺れるのは一緒でしょう
仕事自体の厳しさ楽しさ実はたいして変わらなくないですか
我々のほとんどは不景気でもなんとか生きるし
回復反転したからといって富裕しない (残念ながら)


デフレかインフレどっちか選べみたいな
幸せな金持ちと惨めな貧乏人しかこの世にいないみたいな
個人の努力次第で勝ち組か負け犬か決まるみたいな
改革か破滅かみたいな
自由か(化)さもなくば死を!みたいな
その手の二分の強迫が蔓延している限り人は使うべき金を使わない

時勢ではなく自分の仕事を見つめる
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# by kelham | 2013-02-21 22:08
第1位 カメラマンさん
写真の方、写真屋さん、先生、オガサワラさんと続く
ウェディングでのお客さんからの呼ばれ方
「おい写真屋!」の如きひどいのも昔はあったが最近はない
この道で年を経たベテランの鋭気をうかつにからかえなくなったからだ

安心していたら日曜日、若い女性客に「おまえは撮るな!」と叫ばれた
宴中、仲間同士で集合写真を撮っている姿を横から撮影しようとした時に。
すぐにおふざけとわかって苦笑い、数枚撮ってその場を去った
旧友に囲まれ祝い酒に酔ってのこととこちらは特に気にしない

向こうはする。まず友人が詫びに来、次いで別の友人が説明しに来、そして本人が謝りに来た

放つ鋭気をもっとしっかりさせねばと思いました
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# by kelham | 2013-02-08 11:29
当時は絶賛の中なおざり
十年遅れで「ソプラノズ」
数年前なぜかシーズン4のボックスをプレゼントされたのをきっかけに
中古が目に入ると時々買い集め気づけば全巻コンプ
今年の正月はハワイに行かなかったので(一度もないけど・)
年始の個人イベントで元旦から観始め、昨夜終わった
全86話に渡り現代イタリアン・マフィアの日常とその悲喜を描く
ストーリーは遅々として進まず、時々アッと殺される
一話の制作費二億円というのが有名だが大仕掛けなシーンはほとんどない
一流の役者、完璧な演出、無欠のロケーション
物語の映像は作る者の「鉄の意志」に最も金がかかる。かけるべきだ
つまり、時代考証とリアリティーの追求。
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# by kelham | 2013-02-04 12:44
メガネをかけた人物を撮るとき、
反射に注意してできるだけレンズに何も映り込まないようにする
何かを反射している分その人の顔情報が欠けているという考え方で、
スタジオのポートレイトでは特にそれに従う
同じメガネ写真でも、スナップのように自然さが重要な場合は反射の有無は気にしない
何がどう映っているかを気にする

theoというフレームブランドの仕事
モードオプティーク「テオ百景」というシリーズ
街をかえ企画をかえ、一般の方々をその場でモデルにしていく電撃ロケです
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# by kelham | 2013-02-01 12:20
新郎新婦がひざまずく光景も教会の結婚式ならでは
求心的なこの絵がらを、チャペル挙式の象徴として
ケラムのアルバムはよく見開きで使う

新宿、下落合の目白聖公会
英国エピファニー修道院から寄贈された骨董のステンドグラスが美しい
あまりに繊細精巧で、よく見ようと近寄るのさえ今は怖いが
実は子供の頃この教会の庭でよく野球をした
あの窓に当たったらホームランというルールだったと記憶している
恐るべき子どもたち
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# by kelham | 2013-01-28 00:54
列席者には信徒もそうでない人も当然いる
静寂の中、共に式の始まりを待っている
鐘が鳴り、灯がともされ、香が焚かれ、オルガンが流れる
形式を至上にしなければ洗練もないという逆説の極みを
オーソドックスな宗教は時代を超えて脈々と生き続けている

結婚式に集い新郎新婦やその家族を祝福することにおいては
教会も寺も商業施設も実は何も変わらないと私は常々思っています

静謐の堂で人が祈ること、祈らずにいられないことにおいては
洗礼も帰依も全く関係ないと思っています
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# by kelham | 2013-01-24 14:50
挙式前の聖堂の片隅で
アンサンブルのリハーサルが続く
窓から差す柔らかい日と緑が彼らの奏でるシンプルな旋律を包みこむ
手前の外国人の方がファルセットで高く優しく静かに歌う

品川旗の台・三光教会
300人を収容する英国国教会のチャペルです
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# by kelham | 2013-01-23 00:28